珪藻土の特徴とは?
皆さんは珪藻土という名を聞いたことはありますか?珪藻土は、藻類の一種である珪藻が古くから堆積してできた化石からなる堆積岩のことです。藻類は地球上で初めて出現した原生生物の一種で、今でも空気中を浮遊しており、条件が合えば繁殖を行っています。池や湖などの湿気の多い場所に居ると、衣類にいつのまにか付いている緑色の物がこの藻類に当たるのです。
珪藻の殻は二酸化ケイ素でできており、これが珪藻土の主成分になります。珪藻は死滅すると、池や湖の底に沈んでいき、そこにどんどん堆積していくのです。死骸の中に存在する有機物はプランクトンなどによって分解されますが、不消化物の二酸化ケイ素は分解されずに残ります。残った二酸化ケイ素が長い年月をかけて化石になったものが珪藻土です。
珪藻土は、昔から耐火性の高い土として七輪、コンロ、耐熱性レンガの素材として利用されてきました。また、日本では昔から、城の内壁材として利用されており、その耐久性、耐熱性は重宝されていたのです。
最近では、この珪藻土が家の内壁材、外壁材として注目を集めています。以前まで、最も一般的に使用されていた漆喰はカルシウムを主成分としており、防水性、吸湿性に優れているため、家屋の壁の上塗り材として用いられていました。
一方で、珪藻土の主成分は二酸化ケイ素であり、多孔質構造が特徴であるため、漆喰以上に、吸湿性、脱臭性に優れています。漆喰にもそのような特徴は備わっているものの、成分の特徴上の違いから、湿度や温度などの家の中の環境を一定に保つ上では、珪藻土の方がより優れていると言えます。
しかし、珪藻土にもデメリットは存在します。それは、珪藻土の成分のほとんどが二酸化ケイ素であることです。そのため、自己凝固性がなく、なにかしらの凝固剤を加えなければ固まりません。一方で、漆喰は自ら固まることができるため、施工の際には、漆喰の方が使いやすいと言えます。
珪藻土は、若干の使いにくさがあるとは言え、安全で安心な暮らしを作ることができる非常に優れた自然素材です。気になる方は一度検討してみてはいかがでしょうか?